名古屋市立大学大学院薬学研究科・薬学部English SAMPLE COMPANY
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Protease-coupled methodを利用したFRET型CARM1活性検出プローブの開発

CARM1はPRMTs (Protein Arginine Methyltransferases) ファミリーに属し、タンパク質中のアルギニン残基の非対称的なジメチル化を触媒する酵素です。多くのがん細胞においてCARM1の過剰発現が見られることから、CARM1は魅力的な創薬ターゲットであると考えられています。これまでに種々のCARM1阻害剤が報告されていますが、in vivoにおいても作用が確認されている阻害剤の報告は多くはありません。そこで我々は、CARM1によるアルギニンのメチル化活性をより簡便に測定でき、ケミカルスクリーニングへと応用可能な評価系の構築に取り組みました。メチル化されたアルギンニンがtrypsinによる加水分解を受けないという知見を基に、既知のCARM1の基質となるペプチド配列の両末端に蛍光団を組み込んだFRET型プローブを開発しました。このプローブはメチル化されていない状態では、trypsinによる加水分解を受け、蛍光発光色が変化(FRETが解消され蛍光のレシオ比が変化)しますが、プローブがメチル化されるとtrypsinによる加水分解を受けないため、蛍光色がほとんど変化しないことが確認されました。このプローブは蛍光色の変化から、CARM1の活性を測定することができ、実際に阻害剤の阻害濃度を算出できることも確認しました。開発したプローブを用いたケミカルスクリーニングを行うことで、これまでとは異なる新たな阻害剤が創製されることが期待されます。

[発表論文]
Bioorg. Med. Chem. Lett., 29, 126728 (2019).

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